
私はこのブログで、Gourmet的記事に関しては極力避けてきた。
Gourmetというのは独りよがりの所もあるし、このブログの方向性:"Think-Write"(書いて考える)には適していないかなぁ、と考えていたからだ。
しかし先日訪れた「瓢亭」には、その店の入り口を潜った瞬間から、私の思考を活性化させ、ここの料理には五感を研ぎ澄ませて臨まねばという感覚を覚えた。こんな感じを覚えたのは、神戸の伝説のフランス料理店であった「ジャン・ムーラン」以来だろうか。



この感覚というのは、料理&空間(客室=茶室)&ホスピタリティの三重奏から来ていることが、全ての食事を味わった後に波のように私の精神に押し寄せた。このように、五感を駆使して味わう料理には、1999年に食の世界に新しい価値観として登場したアレクサンドル・カマスが提示した"Fooding(= Food + Feeling)"という概念がピッタリ来る。"Fooding"とは、目・鼻・耳などの全ての感覚を使って料理を評価しようというもの。
でもこの概念は今に始まったわけではなく、私が以前このブログでも取り上げた北大路魯山人が実践していた。魯山人自身がトータルプロデュースした「星ヶ岡茶寮」では、料理の味が良いのは当然で、大事なのは食をいかに総合的に楽しめるかであった。400年の歴史と現在の日本で最高ランクの懐石を提供している瓢亭にも魯山人が残した精神が引き継がれているかのようであった。
では、私が五感を駆使して味わった料理の数々をお目にかけよう。


瓢亭の真髄が見られる「半熟鶏卵」




今年初めての松茸:土瓶蒸し&松茸ご飯


この柿が秀逸:完熟した柿が、ゼリーのような感触と、品の良い甘さを醸成していた


瓢亭へ誘ってくれたMr. Hにこの場を借りてThanks a lot!!の気持ちを伝えておこう。
最後に、今回の瓢亭の食のトータルデザインを、北大路魯山人の言葉で纏めておこう。
「味覚と形の美は切っても切れない関係にある」
この魅惑の食の場を体験してみたい方は、次のアクセスマップを参考に。
