Friday, June 12, 2009

My 100 Standards(5/100):ペーパーナイフ

久しぶりのモノに対するストーリーを綴ってみよう。
今回は十数年前に、NJの知り合いの方にいただいたペーパーナイフである。

皆さんはペーパーナイフを使ったことはあるだろうか。
私が初めてペーパーナイフの存在を知ったのは、とある映画のワンシーンだったように記憶している。その映画の主人公が、実に美しくLetterをペーパーナイフを使って開封しているところを目にし、いつかは私もこの主人公のように美しく手紙を開けてみたいと思っていた。

それから何年も経って、アメリカへ渡り大学院で勉強をするようになるまでペーパーナイフのことは記憶の果てに忘れてしまっていた。私のアメリカでの論文担当教授が、オフィスでペーパーナイフを使用するのを見るまでは。その教授はスーツの着こなし、シガーの吸い方などが実に格好いい人だったのだが、ペーパーナイフの使い方もあの映画の主人公のように美しかった。彼がペーパーナイフで封筒を開ける洒脱な所作が今でもまだ目に焼き付いている。

時を同じくして私は、その憧れのペーパーナイフを手にすることとなる。
そのペーパーナイフは十数年を経た今も尚、私は使い続けている。


このペーパーナイフは、私がアメリカ時代お世話になった方がイスラエルへ旅行した際のお土産として貰ったモノ。柄の部分には、“God Bless Our Home”と刻まれていて、ナイフ部分のデザインは水色と赤色でカラーリングされている。
初めてこれを使用した時は、なかなか上手く、ましてやあの映画の主人公や教授のようには、封筒を開封できなかった。しかし、長年使っていると、段々私の身体の一部のようにペーパーナイフが馴染んできて、どんな封筒や手紙でもサッと開封できるようになった。スムーズにペーパーナイフで紙を切った瞬間、それが上手く切れた感触と、紙を裂いた質感が何とも言えず好きである。

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