Thursday, February 28, 2008

時代をEditする雑誌:BRUTUSを眺めて、Creativeの真髄をつかむ

以前にもこのブログで私が購読したり、時折買っては眺めている雑誌群を紹介したが、その中でも本当に長年愛読している雑誌がある。「BRUTUS」がそれ。
その時代のカルチャー、トレンドなどを毎号テーマとして、縦横無尽にBRUTUSならではの視点、世界観で時代をEditして行く。雑誌自体のデザインを含めた表現方法や姿勢は、どの誌にもないオリジナルな切れ味を見せる。


例えば、最新号の「すいすい理解(わか)る現代アート」。これは、現代アートに今まで取っ付き難いなぁと感じていた人でも、スルッと入っていける構成になっている。そのカテゴリ分けも今までにないもので、「なんでも大きければアートになるんですか?」とか、「そもそもなぜ便器がアートなんですか?」とか、実に面白く現代アートを読ませる。初心者にも理解し易いText構成、だからといって現代アートに造詣が深い人々も飽きさせない。これこそ、私が目指す"Think-Write"な文体ではないだろうか。


この雑誌は、その他にも私に気付きを与えてくれる。少し前の号になるのだが、「読書計画2008」の中で、私は1つのCreativeな新進気鋭企業を発見。もちろん特集は読書なので、様々な人々の読書についてのストーリーが展開されているのだが、私のアンテナにフィットしたページにスッと目が止まった。私が今まで聞いたことがなかった「TAKRAM(たくらむ)」という企業の創業メンバーである田川氏と畑中氏の読書ストーリーを展開している箇所だった。その記事を読んでいると、彼らの読書傾向が実に私にフィットした。

彼らの書籍チョイスも良い感じだったが、企業名はもっと良い感じ。「TAKRAM」はデザイン・エンジニアリング・ファームを標榜する企業。このようなフィールドの企業は一般的に、「~ソリューション」「~コンサルティング」などとネーミングする企業が多い中、「TAKRAM=たくらむ=企む」とこの企業が目指す本質部分をずばり表現している所に共感を覚える。やはり、クライアントに対して何らかのアドバイス=付加価値を与える企業は、センスの良い遊び心と、専門知を駆使したプロフェッショナリズムを兼ね備えた組織体であって欲しいと、私は常々考えている。まだ創業して2年のこの企業を牽引する田川氏と畑中氏は、両名ともに工学を学んだ後で海外留学。工業デザインを海外で学び、デザインとエンジニアリングという二つの視点を生かして製品開発などを行っている。こういうセンスを持ち合わせた企業には、グローバル市場へ殴り込みをかけて欲しい。

BRUTUSのバックナンバーは、我が自宅にここ10年分ぐらいのお気に入りを残してある。その中でも、印象深い号は以下のような感じになるかな。これを見ても、アート、写真、などCreativeな事象を取り扱ったものが多い。茂木健一郎氏を特集した号は、これぞBRUTUSというページ構成が印象的だったことを憶えている。皆さんも何冊かは目にされているかな?

Sunday, February 24, 2008

Jan. to Feb.: バーチャルな事象あれこれ

2月は今日がブログ初書き込み。どうも、2月はブログを書くという意識が薄れていて、今日まで手つかずであった。

という訳で今回のテーマは、「バーチャル事象あれこれ」としてみた。この2月に私が実際使ってみたバーチャル上のサービス、バーチャル上に出現した私の興味を喚起した様々な事象について、簡単に振り返ってみたい。

* デジタルライブラリーの行方



米カーネギー・メロン大学などによる書籍デジタル化プロジェクト"Million Book Project"が昨年11月27日、150万冊の書籍のデジタル化を完了したと表明。「Universal Library」サイトでの無料公開を開始した。このバーチャルライブラリーには多くの希少書籍などが含まれ、掲載書籍の半数は無料で全文を閲覧可能のようだ。
さてさて、このライブラリーは、現代版「百科全書」になりうるのだろうか。
興味を持たれた方は、プラグインのAlternaTIFF(Windows専用)またはDjVu Browser Pluginのインストールして、バーチャルライブラリーを体感してみてください。

* Blogの売買!?

ブログ市場というサービスが出現している。ブログを買いたい人と売りたい人を結ぶマッチングサイトだそうだ。もう更新できなくなったブログをそのまま放置しておくのはもったいないので、それを誰かに売ってしまおうということらしい。もちろんどんなブログでも良いわけではなくて、これまでに書いた記事の総数、Googleページランク(Googleの解析に基づく人気度の指標)、月間アクセスなどを公表したうえで希望価格を出して入札を待つ、というシステム。さらに、被リンク数(他のサイトからそのブログへリンクしてもらってる数)によっても価格を吊り上げるることができるみたい。う~~ん、ブログは本来、様々な知識や情報を持った人々が、自分の考えや意見を日記形式で伝え、意見交換をしていくコミュニケーションの「場」であるはず。これをも売買対象としていくことに、私は若干の違和感を憶える。

* あらたにす

朝日と日経、読売の三紙の記事を、ネット上で読み比べることができるという「新s あらたにす」なるサイトが立ち上がった。Google Newsなどに刺激を受けた動きなんだろう。まあ、バーチャルならではの面白い試みとは思いますね。でも、インターネットが勃興した時期に、将来的には新聞などのマスメディアは駆逐されるなどと言っていた評論家は、現在のバーチャルとリアルのメディアの棲み分け状況をどう感じてるのかな。

* Googleリーダー



Googleリーダー」なるサービスを1月後半から使い始めている。
同僚・Mr. Hからのリコメンドでこのサービスを知ったのだが、これが本当に使い勝手が良い。
私は今まで、ネット上で一番新鮮な情報を集めるのに、ブログのチェックを欠かしたことがない。
プライベートで興味を持った事柄に関しての情報検索であれば時間をかければよいが、ビジネスにおける情報編集や分析に関しては時間との勝負ってとこがある。ビジネス系、トレンド系、人文・社会学系など、購読しているページは海外・日本と合わせると膨大なものになる。このサービスを知る前は、いちいちサイトにアクセスして、更新した情報を吟味して、読んでいた。実に非合理的!!
このサービスを使い始めて約1ヶ月、更新情報を一つの画面で眺めることが、これだけ時間短縮に繋がり、実に有難いサービスであることを実感している。
今更ながら思うのだが、Googleは、世界中に散らばる情報を統合、再編集して、一体その先に何を見ているのだろう。