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Tuesday, March 03, 2009

Design Thinking視点の創造プロセス

今のビジネスの世界では、サービスやモノを創造し、それらの差別化と競争優位を生み出す源泉はイノベーションであることはここ数年語られてきた。
かのトーマス・エジソンは、白熱電球を発明し、このイノベーションを、芸術、技術、科学、事業手腕、更に顧客と市場に関する慧眼を融合させ、1つの産業へと収斂させていった。

このように、イノベーションを現在の世界不況化でも粛々と進展させている組織体がある。
IDEO、Apple、Pixerなどがその組織体の例として挙げられるだろう。
IDEOに関しては、このblogでもよく取り上げていて、そのデザイン思考を基点に置いた多様なイノベーション・プロジェクトには注目してきた。IDEOの独特なデザインソリューション手法:より良い顧客経験をデザインするための5つのステップ(Observation、Brainstorming、Rapid Prototyping、Refining、Implementation)についても以前考察しているので、今回は昨年12月号のHarvard Business Reviewの中で紹介されたIDEO社デザイン思考プロセス・マップを掲載することに止めておこう。

デザイン思考プロセス

今回は実際にデザイン思考を駆使して、商品やサービスを創造しているApple社の物づくりプロセスに関して述べてみたい。ちなみに、Apple社とPixer社の共同創業者がSteve Jobsであることから、そのプロセスには同じ思想が根底にあることを付け加えておきたい。



Business Week誌に“Apple's design process”という記事が掲載され、私はそこにiPhone、iPodなどのクリエイティブ力を持った戦略的商品を次々創造してきたApple社のイノベーションのコア部分を垣間見た。
その記事内容に関して、以下で簡単に纏めてみたい。

★ アップル・デザイン・プロセス

● Pixel Perfect Mockups(=精密なモックアップ作り)
時間を充分にかけて、曖昧さのない、正確な外見を実物そっくりに似せた模型を作る。後の過程で細かな修正をすることは膨大な無駄を生み出す。これは、IDEO社の“Rapid Prototyping”に相当すると思う。

● 10 to 3 to 1(=10から3に、3から1に)
10種類の全く異なる特徴を持つモックアップを作る。この際、10のうち7は残りの3つを際立たせるためのものである、というのは間違った考え方で、あくまで10種類のアイデアに基づいた精密で、文句の付けようのない模型を創造する。そしてこれを3つに絞る。さらに数ヶ月をかけて磨き上げた模型を作り、この中から1つを選択する。

● Paired Design Meetings(=2つのデザイン・ミーティング)
こうした模型創造作業の期間中、毎週2つのミーティングを継続する。1つはブレインストーミング。こちらではどこまでもとんでもない発言が許され、むしろ、どこまで滅茶苦茶で自由なアイデアが出せるかが重要となってくる。日本では、なかなかこの部分が成熟していなくて、単なる打合せに終始してします。もう1つはこうしたアイデアをリアルに落とし込むことできるか、デザイナーとエンジニアが一緒になって考えるミーティング。この2つのミーティングを繰り返すことで、強く間違いのない製品やサービスに結実していく。

● Pony Meeting(=ポニー・ミーティング)
方向性を出すためにはポニー・ミーティングというものが設定される。そこでは新しい機能やデザイン要素について、こういう風になっていて欲しい、とみんなで自分の欲しいものをDiscussする。印刷した結果の様子が見えるようにしたい、というような具体的な話のことだが、ここでは“I want a pony! Who doesn't? A pony is gorgeous!”(=ポニーが欲しい。ポニーがいたらゴージャスじゃないか)というくらい唐突なものでも無視せずに受け入れるようにするのだ。

このように見てくると、日本企業の中ではなかなか実行されていないプロセスが多く見つけ出せる。
やはり、デザイン、発想などのクリエイティブを必要とする物作りの中では、とことん突き詰めていくという姿勢、多様なアイデアの発生などを行える環境を形成していくという努力が必要なんじゃないかと、考えさせられる。
日本は物作りでは世界に冠たるパワーを、今でも顕在的・潜在的に持っていると、私は信じている。なのにそれが具体的な価値として、なかなか世界市場に現れてこないのは、今回のテーマであるデザイン思考を重視する環境作りが欠如しているからかもしれない。

Monday, February 02, 2009

Creativeな映画

インダストリアルデザインをテーマとした映画のトレイラーが公開されている。
オリジナルiPodやiMacをジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)がデザインした時どんな化学変化が起きたのか?

Jonathan Ive inside Apple Lab

イケアのテーブルをデザインしたとき何が起こったのか?
クリエイティブの本質を思考するとき、その瞬間の出来事を映像を通して知ることができるのは、実に興味深い。



その映画とは、「具象化して形にする」(Objectified)というドキュメンタリーである。Muji、IKEA、Apple、Flip Video、BMWなど有名ブランドのデザイン思考の段階から、プロダクトが具体化していくプロセスを見せてくれる。日々目にするモノや実際に使われるモノをデザインし、それらに日常的に触れているそんな人達にとっては、目を開かれる思いがするに違いない。

この映像が、深澤直人に始まり、深澤直人に終わるという展開も見所かも。
どうも限定的な公開になりそうだが、是非機会があれば足を運んでみたい。

Friday, January 16, 2009

頭の上のお洒落

ロラン・バルトは、自著「モードの体系」の中で次のように述べている。
「衣服とは裸体をまさに隠しながら誇示しようとする」と。

では、頭もそれ自体を隠しながら誇示しようとするお洒落ってのもあるんじゃないかと思う。
そこで、私自身の頭を隠しながら誇示してくれる帽子達をここで紹介してみよう。

ブルーグレーのBorsalino

このBorsalinoは、神戸で帽子といえばここと言われる神戸・元町にある神戸堂で購入したモノ。
帽子好きなら一度は憧れる世界で最も有名といっても言い過ぎではない「ボルサリーノ」。1857年にジュセッペ・ボルサリーノ氏によってイタリア、アレッサンドリアの地にフェルト帽の芸術的職人だけを集めた工場を
設立したことから歴史が始まった。今では、約150年と言う年月を経たブランドとして確固とした地位を構築。
ラビットファーで仕上げられたこの逸品こそ頭上のお洒落として、その存在感を誇示するモノであろう。

unrivaledとRESONATEとのコラボレーションによるウールハット


Silver Ringがツバに付加された、デザイン性に富んだハット。ヒョウ柄の耳当てを付けアレンジされた部分のデザインに魅了された。

kangol×fragment design


kangol×fragment design×村上隆


創業70年を迎えた英国の老舗帽子メーカー・kangolと藤原ヒロシ率いるデザイン集団:fragment designのコラボレーションによるハンチング。ホワイト・ハンチングはkangol×fragment design×kaikaikiki(村上隆)のトリプル・コラボレーションによるモノ。これは、伝統、藤原ヒロシ的リアルクロージング思想、そして現代アートの先端を行く村上隆が創造した1つの作品である。

knagol×COMME des GARCONS JUNYA WATANABE MAN

ジュンヤワタナベもkangolと共演。歴史性と斬新性の融合は次世代型ハンチングを創造する。

父親から継承したkangol


このように、私は歴史、伝統、革新などのキーワードを頭上にまとい、今後も歩み続けていく。

Tuesday, January 06, 2009

25年と250年

今日耳に飛び込んできたニュースには若干驚かされた。
あの世界的に知られるアイルランドのメーカー、ウォーターフォード・ウェッジウッド(Waterford Wedgwood)が経営破綻したというのだ。

この企業は創業250年の歴史を誇り、イギリス王家御用達で「クイーンズウェア(女王の陶器、Queen's Ware)」という異名を持つ高級陶磁器とクリスタルガラスを創造してきた。そのブランド力は相当強固なモノがあったはずだが、戦略的イノベーションを怠ってしまったのかもしれない。最近でも、ウェッジウッド社は低価格の硬質陶器を発売するなどの戦略を取り、陶磁器メーカーとして世界のトップシェアを争っていたが、21世紀に入って中国などアジアの陶器メーカーとの価格競争で相当疲弊していたようだ。

私は祖父や父親から受け継いだ、ウェッジウッドのネクタイピン、カフスリンク、クリスマス・プレートを所有している。特に、亡き父は現役時代よくウェッジウッドのネクタイピンやカフスリンクを愛用していた。
その想い出を巡らせると、今回の破綻には少し寂しさを覚える。

あの歴史あるブランドまでもが破綻する現状を分析する専門家達は、昨年から継続している世界的金融危機の延長線上にある欧州経済の単なる悪化を論じるかもしれない。しかし、私の考えとしてはそんな単純な話しではないように感じるのだ。もちろん、世界的景気後退は影響しているだろうが、それは単なる一局面で、ウェッジウッド社の経営戦略としての発想力欠如、イノベーション欠如が経営破綻に直接響いているように思うのだ。

今回の破綻劇とは現状対極に位置するであろう有名企業が、今年自社製品を市場に流通させ始めて25周年を迎える。
その企業とは、Apple社である。


Apple社も創業から経営危機に見舞われ続けた歴史を持つ企業である。しかし上記の25年間にAppleが創造したコンピューターが網羅された年表を眺めていると、この企業の飽くなきイノベーション力による、斬新性、デザイン性などを追求し続けている。今では、iPodという戦略商品によって、音楽コンテンツ市場を席巻し、そのビジネス発想のストレッチに成功している。

私自身も、アメリカ大学院時代には、爆弾マークに困惑しながらMacintosh PowerBookによって修士論文を書き上げ、日本に戻ってからも当時デザイン力を売りにしていたiMacを使用し、現在でもiPodで音楽を楽しんでいる。ウェッジウッドとは業界が違うので比較は難しいが、ウェッジウッドとアップルの差異は(私を含む)消費者を魅了する製品&サービスと、それらを創造するイノベーションの相違にあるのではないか。

25年と250年、現在の複雑怪奇な世界市場の中で生き残るためには単なる歴史の積み重ねだけでは駄目で、歴史を色褪せさせない発想とイノベーションをベースとしたブランド構築が一層求められていると言うこと。
私も今回はウェッジウッド破綻というタイムリーな話題の中で、ブランド構築を生業としていた1人として考えさせられることが多かった。

いずれにしても、ウェッジウッドの再建に名乗りを上げる企業が早く出てきて欲しい。

Friday, January 02, 2009

とあるギャラリーからの贈り物

毎年お正月になると、とあるギャラリーから送られてくる干支の色紙。


そして、いつものように色紙に描かれた干支の絵に言葉が添えられている。
「悠然と歩む『牛』の足には力が漲り、角を具えた表情に情熱を秘め、黙々と汗して働く姿に信頼感が溢れる。今も豊穣のシンボルであり続ける『丑』は、人間の暮らしを支えている」
この色紙に添えられた言葉の通り、激しい変化を予感させる新たな年に、私も大いなる豊穣を目指して歩んでいこう。

Tuesday, December 30, 2008

Logo:Creativeの源泉がそこにはある

いよいよ、今年も残り1日を残すのみとなりましたね。
こんな日には、私のビジネス的専門領域の1つであるブランド(企業)ロゴのお話でもしてみましょうか。

皆さんは、Logoと聞いてすぐに何を思い出すでしょう。ある人は企業ロゴ(例えば、ソニーとかアップル)が頭にすぐ浮かぶだろうか。それとも、ある人はファッションブランドのロゴ(例えば、LV=ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルマーク)を思い浮かべるだろうか。

それだけLogoというものは、企業やブランドにとって切っても切り離せないモノとなっている。
私が数年前、ブランド戦略構築現場にいた頃から、この社会や消費者にダイレクトに繋がる意匠に対して大変興味を持って、ビジネス視線で考察していた。

しかし最近、企業の商品やサービスに関して、ここのブランド・ロゴだから大丈夫であるなどの信頼性を消費者などに植え付けるはずのLogoが、少し安易に扱われ始めているのではないかと危惧している。
そんな危機感の中、面白い記事をWeb上で発見した。
それは、“45 Rules for Creating a Great Logo Design”というモノ。ここには、簡潔ではあるが、大変重要なことが表現されている。例えば、「3つ以上の色を使わない」、「可能ならロゴを正方形に収める」、「ロゴには視認性がなければならない」、「地球をシンボルに使わない」などなど、Logoをクリエイトする人々にとっては基本中の基本の事柄が列挙されている。

だが、私はこの基本が守られていない企業(ブランド)ロゴをよく見かけるようになった。
皆さんもご存じのドコモ。この企業のロゴマークが一新されたことに気付いてらっしゃいますよね。


3つ以上の色を使わない、というのは時代の変化の中で重要である。今回のリニューアルで、赤色単色にしたところは、ビジネスに対する情熱、未来への先進性を強く表現できていて良いと思います。しかし、これは日本の企業に大変多いのですが、どうもロゴが横に長すぎる。これは、45の法則の中でも述べられている、可能ならLogoを正方形に収めるということに反してます。Logoって言うのは、縦書きにする場合も多いので、その際どんなに頑張っても視認性が劣ります。これでは、せっかくのロゴ・リニューアルも台無しって感じでしょうか。

私が好きな企業(ブランド)ロゴは、以下のミニマルではあるが、主張していて、世界中の誰もがすぐに認識できるTypeでしょうか。






上記の企業って、それぞれ自身の市場でユニークなポジションを構築し、消費者に対して分かり易いメッセージを発し、何か驚きのある商品やサービスを提供し続けていると思いませんか?やはり、こういう企業はロゴ創造にもちゃんと向き合ってますよね。
これを見ると、もう少し日本の企業はオリジナルなロゴ構築=ブランド価値構築を、真剣に再考すべき時なのかもしれません。

少し辛辣に日本企業について評しましたが、日本でもロゴ構築について真摯に取り組んでいる組織もある。それは、国立新美術館。私はここのLogoの先進性、斬新さに、初めて見たとき驚きを覚えた。本当にオリジナル性に富んでいる。このロゴを作ったのは、現在デザイン界の寵児とも言われている佐藤可士和だ。彼は、Logoに使われているフォントも一から創造し、このどこにも存在しない、世界に1つだけのLogoを作り上げた。このような困難なクリエイティブ作業を行いながら、先に述べた45の法則の大部分を満たしていることにまた驚き、日本でもまだまだ素晴らしい発想を含有したLogoを構築できることに感心した。

2008年は「デザイン」や「クリエイティブ」という言葉が、雑誌、書籍、メディア、ビジネス現場で数多く見聞きした。今日のLogoの話しもそうだが、まだまだ日本のデザイン力はアメリカや欧州と比較すると優位性を持っているとは言えない。“Made in Japan”といえば、高品質やリーズナブルということがグローバル市場では常識となっている。そこに、クリエイティブ力やデザイン力に繋がるフレーズが続いて欲しい。そのためには、もっともっとクリエイティブの現場の人々が世界進出を果たすべきであろう。私も2009年のKeywordを“Architecture”を掲げた者として、来年は世界へ向けてその軸足を移していけるように一層精進したい。

Monday, December 29, 2008

2008 Art & Me (vol.2)

昨日は、記憶装置としての美術館やギャラリーで、この2008年に訪れたアート展について述べた。

今日はこの1年、私が身近で体感したアート、私にフィットしたリアル・アートについて書いてみたい。

まず紹介したいのは、私の友人であり、現在Belgiumで創作活動を継続している現代Artist・Daisaku NAGAIの作品である。彼の作品は、ある時は詩的であり、哲学的であり、文学的でもある。私にとっては、まさにリアル・アートである。今年彼が久しぶりに帰国し、その創作物に私にとってのリアル・クローズ・ブティックである「CINQUE CLASSICO」のリニューアル・パーティーで出会った。そのクリエイティブ力は以前にも増して、軽やかさと重厚さが混在していた。

その中で購入したのが、この作品。


今年5月にその友人がベルギーで個展を開催した際、その個展に関してベルギーのフランス語圏有力新聞の「Le Soir」に掲載された。この記事を構成するにあたってインタビューも行われたようだが、そのインタビュアーはかの巨匠:ロイ・リキテンスタインにもインタビューした事のある人だったようだ。そのインタビュアーは、彼の作品を見てリキテンスタインを想起したようである。



Daisaku NAGAIの作品以外で、リアル・アートとして購入したり、貰ったりしたモノを一部紹介してみよう。

まずは、よくステーショナリーとかを入れているCube Poach(OriginalFake×Porter)。これは、私が最近注目しているArtist・KAWSのデザインで、彼のアイコン“×”や、アートワーク“TEETH”によるフリップトップ、ファスナーは実にユニーク。彼のアートワークには2009年も大注目。


お次は、本日も着用していた藤原ヒロシ村上隆のコラボによるアートT-Shirts。今年東京で、藤原ヒロシがキュレーターを務めた「Hi&Lo」展の時に作成されたモノ。アートを着るってのも良いかも。


最後に、奈良美智がクリエイトしたちょっと眠そうな犬のブックシェルフ。いつも、私が新たな本を購入してくるのを自宅で待ちわびている。


まあ、こんな感じで2009年もアートというモノを身近で体感し、どこにでも偏在する存在としていきたい。

Sunday, December 28, 2008

2008 Art & Me (vol.1)

リーマン・ブラザーズが破綻した翌日に、ダミアン・ハーストの新作オークションでの落札価格が約211億円に達したことに驚かされた反面、世界金融危機に影響を受ける形でアートバブルも弾けてしまった感も否めない。

このように、アート界でも動きが激しかった1年の中で、私もアート展へ足を運んだり、実際に作品を購入したりもした。つまり、私が語るアートの中には、美術館やギャラリーなどの特有の敷居の高さで展示されるモノと、私の等身大にフィットするリアル・アートが存在すると言うこと。

2008年の非リアル・アートの世界=美術館での作品鑑賞した中で、私が印象に残っているモノを記述してみたい。

フランスの哲学者・ジル・ドゥルーズは、自身の映画論の中で「静物とは時間である」と述べ、現代映画は「運動感覚的な状況」から「光学的音声学的な状況」へと転換したと、時間イメージの重要性を強調する。
じゃあ、絵画=アートの世界はどうだろう?近年現代Artist達が、絵画を意識した映像作品を旺盛に創造し始めている。動くモノが動かないでいるという状況は、絵画ではなかなか表現し難いもので、純粋に映像でしか他者に伝えられない。
時間イメージが静と動によって表現される、つまり映像と絵画が融合し始めているのだ。


私が今年訪れた中で最も印象深い「STILL MOTION: 液晶絵画」展(於・国立国際美術館<大阪>)は、上記の事象を再認識させてくれるもになった。


千住博ジュリアン・オピーブライアン・イーノ森村泰昌など、私が興味を持つArtist達が、微妙に動く絵画を液晶画面上で表現した作品群を創造していた。美術館の限定された空間に、多様な時間軸を内包するクールな映像が作る絵画を目の当たりにし、私の感性を刺激した。

次の非リアル・アートは、今年兵庫県立美術館で開催された「冒険王・横尾忠則」展。



これだけ纏まった形で、横尾忠則の描いたモノに接するのは初めてだった。特に印象深かったのは、横尾の「赤色」で表現された作品群だった。彼の最も旺盛にクリエイティブ力を発揮していた時代の作品群に出会えたことに感謝したい。

明日は、私が2008年に購入して、着用&使用したり、自宅で飾ったりしているリアル・アートを論じてみたい。

Tuesday, December 23, 2008

Jan. 20, 2009への高揚感

2009年1月20日、アメリカ史上初めてのブラック・アメリカンの大統領就任演説が行われる。
Mr. Barack Obamaへのアメリカのみならず世界の期待感は、様々な方面から聞こえてくる。


その期待感を象徴するように、TIME Magazineの選ぶPerson of the Year 2008は、バラク・オバマ氏だった。
それに呼応するように、TIMEのサイトでは、オバマ氏の肖像画を様々な形で表現したアートワークが掲載されている。

印象に残った作品を以下で見ていこう。

● 1,216個のカップケーキで創造したモノ


● オバマ氏自身の記事が掲載された新聞や雑誌で作った肖像画


● レゴ・ブロックで創作されたオバマ次期大統領の笑顔


● Kedsの表面にもオバマ・アート。私はこのようなデザインが好き。


● 針金によって創造されたMr. Obama。ここまで来るとアート作品として、自宅のインテリアにしてみたい。


● アメリカ各州の州旗で作られたバラク・オバマ氏。“Yes, we can!!”が今にも聞こえてきそう。

Monday, December 22, 2008

40歳を迎えたDigital Device

現在我々のデジタル・ライフから切り離せないモノが、今年12月で40歳を迎えた。
そのモノとは、PCを快適に操作するマウスである。
1968年12月9日に、スタンフォード・リサーチ・インスティチュートのエンジニア、ダグラス・エンゲルバート氏が作った世界で最初のマウスが公開された。


この写真が世界最初のマウスである。
Wiredの記事によると、
“Engelbart's first mouse was carved out of a block of wood and had just one button, just like Apple's. Underneath were two wheels connected to potentiometers: One recorded the mouse's movement along the x axis, the other one tracked the y axis.”
つまり、木片をくり抜き、ボタンがひとつ(上部の赤い部分)、下には縦軸と横軸の対応する二つのローラーがついていて移動量がわかる仕組みのようである。

この技術は殆ど今のマウスにも踏襲されていることを考えると、エンゲルバートの発想力、イノベーション力は凄いと改めて感心させられる。

このマウス誕生記念に連動するかのように、ロジテック社が自社製マウスの歴史を図式化したり、


とあるクリエーターが、Apple社のマウスの推移をマッピングしたりしている。


これらをトータルで見ると、マウスのデザインはどんどん丸みを帯び、人間工学に基づいた、形へと変化していっていることが理解できる。マウスのデザイン変化を見ていると、車であったり、家電製品などのデザイン変化とシンクロしているのが興味深い。

ちなみに、私が現在自宅で使用しているマウスは、


こんな感じです。
これは、デザイン集団:groovisionsコクヨがコラボして創造したモノ。
デザインがCuteで、私の手によく馴染むので、結構長く愛用している。

Sunday, December 21, 2008

Creative Presentationの現在

元アップルコンピュータのMr. Guy Kawasaki達が審査員をつとめるワールドベスト⋅プレゼンテーション⋅コンテストというのがある。これは、世界中の多様なカテゴリーから集められてくる、世界で最もCoolで、Hipで、Creativeなプレゼンテーションをチョイスする場である。

今年も、世界のベスト・プレゼンテーションが発表された。
昨年のベストプレゼンテーション「Shift Happens」は素晴らしかったが、今年もなかなかの力作揃い。

Shift Happens
Shift Happens
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2008年のコンテストで印象深かったのは、コンテスト全体第2位の「Foot Notes」、Business部門で第1位の「Storytelling 101」、そしてOffbeat/Creative部門第1位の「Creativity」だった。
これらのプレゼンテーションは、ミニマルで、シンプルな中に、クリエイティブな発想が散りばめられている。特に全体で第2位だった「Foot Notes」は、足元だけでの世界旅行記という実に面白いアイデアが私の完成に直撃した。私もこのような美しい、アイデア満載のプレゼンテーション資料を2009年も創造したい。

Foot Notes
Foot Notes
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Storytelling 101
Storytelling 101
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Creativity
Creativity
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Thursday, December 18, 2008

No-Title

本日は、定期的に開催しているCTM(Creative Thinking Meetingの略;我々が勝手に名付けた)を実施した。これは、2年前ぐらいから情報交換を主体とした、ブランド戦略コンサル時代の同僚、某アパレル関連の方、某投資ファンド関連の方、そして私を含めた4人の集まりである。

今回は折からの世界同時不況真っ直中ではあるが、余りマイナス・イメージの議論はせず、今後5年間の中長期的ビジョン、来年に向けての短期的ビジョンについてポジティブな視点で意見交換をする感じで会は始まった。

その中で議論されたのが、

1) ブランディングの視点で捉えた、企業(ブランド)Logoの現在・未来
2) Independent Contractorという働き方の未来(フリーエージェント社会の本格到来)
3) 来年のマーケティング、消費トレンドのキーワード
4) PixarIDEOの優位性:デザイン・シンキングと創造力のプラットフォームの持つ優位性

この4つのポイント。

なかなか、エキサイティングな議論だったが、今日は話し疲れてしまったので、その内容などに関しては明日以降のblogで。

そうそう、会の出席者の1人がYouTubeで懐かしいCMを見つけたというので、早速自宅へ戻って再生。
オォッ、Andy Warholが日本語を話している。

Andy Warhol Japanese TDK Ad

Wednesday, December 17, 2008

One of Thinking Tool in 2009

私はこのblogのメインテーマ、"Think-Write(書くように考える、書いて考える)"通り、物事を思考する時には必ずノートや紙に書く。私は書くこと=思考することと考えているので、blog作成であれ、ビジネスにおける提案書構築であれ、まずは自分に一番馴染んでいるノートにキーワードやフレーズ、時には図をどんどん書き込んで行く。

だから、ノート選択には余念がない。私が頭で思い付いたことを、即座にペンで書いていけるスピード感が大事。そのためには、私のIdeaが紙に自然に馴染んでいくという感覚を具現化する紙質や形態などが重要になってくる。

今まで、多様なノートを試してきたが、なかなか「コレッ」ってモノが見つからなかった。
そんな中、本日私の理想とする形に近いノートを発見、即購入してしまった。


文字、紙、本を素材やテーマにした作品を制作しているアーティスト・立花文穂によるノートがそれである。

写真1、3、4を購入したが、特にお気に入りは写真3のプロ.ノート。これは、表紙のクロスが意図的に切りっ放しになっており、使用していく内にほつれ、汚れてくるが、やがてそれが自分らしい味となって現れる仕掛け。A5サイズ(縦)とコンパクトながら、ページ数は320ページと豊富なボリュームなので、どんどん書き込み、そこから新たなモノが生産されていく。中身は、譜面を書く職人が1本いっぽん鳥口で引いた3mm方眼は、線が僅かに揺らいでおり、独特の風合いを醸成する。ブルーカラーのモノをチョイス。
残り2種類のノートもA4とA5(横)と、その場所、時間によって用途を使い分けることができ、重宝しそう。

2009年も複眼的に物事を捉え、切り取り、具体的な戦略、戦術、テクストへと自身の思考を落とし込んでいきたい。そのためにも、これらプロ.ノート群をフル活用(=書いて、書いて、書きまくり)し、クリエイティブ思考を養っていきたいと思う2008年12月17日である。

Saturday, December 13, 2008

“ ”が切り取るクリエイティブ

“ ”(クォテーションマーク)は、文献から引用したり、会話文を入れたりするのに使われる。
このQuotationそのものをタイトルとしたクリエイティブ系ジャーナル誌が登場。


他者と会話してたり、文章を読んでいると、その瞬間の言葉や、文章や、気持ちを切り取って、Quotationマークに取り込んでいくって感覚が小気味よい。
扱ってるカテゴリーは、クリエイティブに関するアート、フォト、アニメ、ファッション、映画などのキーワードをトータルに評論され、編集された雑誌って少ない感じがする。
読み手側に、クリエイティブ視点で多様な事象を明快に分析し、テキスト化して伝えていくのは困難な作業だろうけど、やはり言葉やテキストでクリエイティブを語っていくのも大事だから。
多くの雑誌が休刊に追い込まれているけど、来年もこんなスタイルのメディアが少しでも誕生することを望んでいる。
この雑誌、初版は完売とか。

Monday, December 08, 2008

黒の誘惑

このBlogでも取り上げたことのある、COMME des GARÇONSがまた新たな挑戦を使用としている。
今年は、LOUIS VUITTONやH&Mと組んで、新たなクリエイションの地平を切り開いた。
そして来年1月からは、"Black COMME des GARÇONS"という新たな期間限定ショップを構築し、消費者と市場に今までとは違うShop形態とクリエイティブを伝えていく。


COMME des GARÇONSの創造者・川久保玲はかつて、「未来へのかたち。未来と根源の調和。相反するものから生まれる力、創造。完成されていない荒削りなもののみが放つ強さ」ということを市場に訴えかけた。
今回の試みも、「黒」というカラーへの拘りと、その魅力をいかに伝えていくかに成功の鍵はあるだろう。しかし、必ずや「少年のような」気持ちを持ったクリエイター達は、未完の荒削りの思考で、世界的景気衰退の市場に風穴を開けてくれることであろう。

Sunday, December 07, 2008

この季節に必要なモノもCreativeに

Greeting Seasonの必需品、パッキング用の荷造りテープ!!
皆さんはパッキングテープにはどんなものを使っていますか?
ガムテープ?それでは、楽しみがないですよねぇ。
プレゼントを贈る側は、受け取り側のことを考えて荷造り用テープにも遊び心で楽しんでもらおうって考えたりしません?
私が使ってるのは、groovisionsのデザインしたパッキング・テープ。


オレンジ・カラーに、groovisionsオリジナルなキャラクターが描かれていて、こういうので包まれて来た荷物は面白いと思って、ここ数年使っている。

これ以外でも、ReubenMillerのサイトでは、ユニークで、クリエイティブな荷造りテープが多く紹介されてるんで、皆さんも今年のパッキングは工夫を凝らしてみてはいかが。

Saturday, December 06, 2008

No-Title

本日のBlogは、このBlog始まって以来の短さ。
本日購入した、美しいZIPPOを写真でご紹介。
ZIPPOと藤原ヒロシ率いるfragment designが創造したWhite ColorのZIPPO。
最近、私は「白」という色に改めて魅了されている。

Friday, December 05, 2008

記憶をデザインするX'mas

「良いデザインというものは、まず最初は驚きの感覚、しかしすぐに全てが理解でき、再発見の喜びが続く。良いデザインとは、古くてもう忘れていた記憶や、なんねんもあっていなかった古い友人に突然またであったような瞬間と似たものなのだ」
こう語ったのは、イタリアの調理器具・ギフトグッズのメーカー、Alessi社のCEOだった。私はクリエイティブやデザインについて考えるとき、よくこのフレーズを思い出す。

経験の記憶をデザインし続けるこの企業は、その独自のデザイン手法を実践するかのように、毎年Greeting Seasonになると自社サイトをリニューアルする。まるで、Alessiの顧客達の潜在意識の表象を掬うかのように。
今回は、"Extra Ordinary Christmas"=「ちょっぴり意外な、予想外なクリスマス」。


2008年のAlessiのクリスマス・サイトは、アドヴェントカレンダー方式をとっている。
しかし、そこはAlessi。記憶の窓を1つずつ開けていく楽しみを加味させ、次の窓には何が隠れているかを、消費者側に期待させる。特に、Eveにどんなものが隠れているのかは、私も楽しみである。

ちなみに本日はこれ


記憶と経験。そこには、美学的言語を使って、既に埋没したり、失われたものを結び付け、表現していくことが求め続けられているのかもしれない。