Friday, December 19, 2008

2009年のKeywordは

このフレーズがぴったりくるんじゃないかと思う。

それは、「Architecture」。
このキー・コンセプトを導き出すのに、昨日のCTM(Creative Thinking Meeting)における議論で最も時間を割いた。
建築、社会設計(デザイン)、そしてコンピュータ・システムの3つの意味を併せ持つ言葉「Architecture」。これは現代社会で、多様なニーズに答え、人間を無意識のうちに管理する工学的で匿名的な権力の総称になりつつある。

私が今回の議論で、このフレーズを提示した背景として、現時点での世界経済、ビジネス環境の大転換の潮流の中で、既存システムをポジティブなモノへと変換していくべきコンセプトが必要なんじゃないかと考えた。今回のコンセプトを考えるにあたって、随分前に読んだクリストファー・アレグザンダーの「A City is not a Tree」と、ジェーン・ジェイコブズの「都市の経済学」からの概念をベースとした。特に、アレグザンダーの考えとして、自然都市(長い年月の間に生成した都市)はセミ・ラティス構造によって組織されているのに対して、人工都市(建築家やデザイナーによって慎重に計画された都市)は階層的に構成されるツリー構造によって組織されていると表現した。ツリー構造=欲望型資本システムがここ数年、厳密に守られてきたからこそ、今回の世界的破綻を招いてしまったのかもしれない。もちろん、全てのシステムをセミ・ラティス構造へと転換していくことは困難だろうが、今こそこの建築的思考を大事に考えていきたい。

このコンセプトや建築的思考については、柄谷行人の「隠喩としての建築」に詳しいので、そちらを参考にしてもらいたい。


いずれにしても、現在の欲望型高度資本主義は終焉を迎えようとしている。このシステムが瓦解の極点にまで達しているのであれば、待つのではなく対抗策および今回我々が導き出した建築的思考による発想の転換こそ必要なのでは。

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