Friday, December 12, 2008

極私的キーパソン

この季節、書店を巡ると、各種雑誌が今年の10大ニュース、来年のトレンド分析などの2008年回顧特集が目に付く。
どれも私の心に訴えかけるモノがないのが常なのだが、今回は少し面白そうなのがあったので購入。

1年前に休刊したダカーポがリノベーションして発刊した雑誌、「ダカーポ editus」の2008→2009という特集号だ。editusとはラテン語の「編集」の意味らしい。
この雑誌に私が引き寄せられたのは、全てをランキング形式にし、2008年の多様なジャンルを私が今年その発言に興味を持ったクリエイター達が分析している所。今年の人・モノ・ブーム・事件を、凄く的確に「編集」しているのに好感を持てた。


この特集を見て、私自身の2008年回顧として、パッと頭に浮かぶものを記号化してみると、

世界恐慌のリアリティ/アメリカの凋落/YouTube/バラク・オバマ時代へ/マイノリティの攻勢/リーマン・ショック/日本政治の脆弱性/秋葉原通り魔/1995年からの警鐘/iPhone/レーザー・レーサー/ブルーレイ方式/Google携帯「アンドロイド」/Chrome/H&M上陸/Yves Saint-Laurentの死/川久保玲(Comme des Garçons)の快進撃/阪急百貨店メンズ館/ファストファッション/アイスランド危機/日経平均7,000円割れ/投資銀行形態消滅/宮崎駿の子供向け回帰(ポニョ)/ダミアン・ハーストのアート力/Art Bubble/シンボリズム建築/モバイルアート/NIKEなどスポーツブランド隆盛/反動・回帰のコミュニケーション(篤姫、25年後の磯野家など)/UNIQLOCK/iPS細胞/Nobel Prizeと4人の日本人/ネットライフ生命保険/阪神タイガースの憂鬱/Creative Classの可視化/

こんな感じになります。

こういう風に表象的に今年を眺めてみると、何となくアーキテクチャの崩壊が各所で進行しているイメージでしょうか。今このブログを書いてる時点で、まだ今年の一字は発表されていないので、私の予想としては「崩」にしておきましょう。

話が逸れましたが、ダカーポeditusの2008年振り返り特集では、私が注目するクリエイター達が分析していることに好感を持ったと最初に言いました。1年を回顧する特集では、だいたい御大的評論家が在り来たりの分析しかせず、実に退屈なものが多く散見されていました。Creativeな視点を入れるだけで、これだけ面白いものに化学変化するのかと実感した次第です。

では、その極私的キーパソンとは誰か。中村拓志、藤原ヒロシ、片山正通などのCreative思考を実践している人々。彼らの視線は、マクロからミクロ、ハイからサブ、という感じで、小さな物でも面白いことは見落とさないという精神に共感を覚えます。特に、新進気鋭の建築家・中村拓志の著作「恋する建築」は、私の中では今年の1冊として挙げれるくらいの読了感があったことを今でも想い出します。


今年は私にとっても多様な転換点があった年でしたが、首尾一貫Creativeな視点で物事を捉えようと心掛けていたことには違いありません。私が思い描く未来と、極私的キーパーソンが描く未来がどこかでリンケージすることを願いつつ。

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