「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」とその著書・「悲しき熱帯」でのクロード・レヴィ=ストロースの言葉である。
レヴィ=ストロースは、今年11月で100歳を迎えたが、まだまだ旺盛な思索は衰えを見せていないようだ。
本日私は久しぶりに彼の著書を読み返した。この時期にマッチした、「サンタクロースの秘密」。
彼は自身の文化人類学的フィールドワークによって著してきた数々の著書の中で、一貫して混沌とする西洋中心主義、オリエンタリズムへの痛烈な批判を繰り広げてきた。
この「サンタクロースの秘密」でも、クリスマスの宗教的儀礼が、アメリカの第二次大戦後における影響と威光による商業主義的な催しへと変化させられたことにシニカルな視線を投げかけている。
構造主義という20世紀を代表する思想体系の創始者たる"Living Legend"(=生ける伝説)として、レヴィ=ストロースは存在そのものが「神話」になりつつある。そんな彼が、現在の混迷極めるグローバル市場に対して、その碩学の世界視線にはどう映し出されているのか。そんなことを考えてしまった今日1日であった。
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