Sunday, December 28, 2008

2008 Art & Me (vol.1)

リーマン・ブラザーズが破綻した翌日に、ダミアン・ハーストの新作オークションでの落札価格が約211億円に達したことに驚かされた反面、世界金融危機に影響を受ける形でアートバブルも弾けてしまった感も否めない。

このように、アート界でも動きが激しかった1年の中で、私もアート展へ足を運んだり、実際に作品を購入したりもした。つまり、私が語るアートの中には、美術館やギャラリーなどの特有の敷居の高さで展示されるモノと、私の等身大にフィットするリアル・アートが存在すると言うこと。

2008年の非リアル・アートの世界=美術館での作品鑑賞した中で、私が印象に残っているモノを記述してみたい。

フランスの哲学者・ジル・ドゥルーズは、自身の映画論の中で「静物とは時間である」と述べ、現代映画は「運動感覚的な状況」から「光学的音声学的な状況」へと転換したと、時間イメージの重要性を強調する。
じゃあ、絵画=アートの世界はどうだろう?近年現代Artist達が、絵画を意識した映像作品を旺盛に創造し始めている。動くモノが動かないでいるという状況は、絵画ではなかなか表現し難いもので、純粋に映像でしか他者に伝えられない。
時間イメージが静と動によって表現される、つまり映像と絵画が融合し始めているのだ。


私が今年訪れた中で最も印象深い「STILL MOTION: 液晶絵画」展(於・国立国際美術館<大阪>)は、上記の事象を再認識させてくれるもになった。


千住博ジュリアン・オピーブライアン・イーノ森村泰昌など、私が興味を持つArtist達が、微妙に動く絵画を液晶画面上で表現した作品群を創造していた。美術館の限定された空間に、多様な時間軸を内包するクールな映像が作る絵画を目の当たりにし、私の感性を刺激した。

次の非リアル・アートは、今年兵庫県立美術館で開催された「冒険王・横尾忠則」展。



これだけ纏まった形で、横尾忠則の描いたモノに接するのは初めてだった。特に印象深かったのは、横尾の「赤色」で表現された作品群だった。彼の最も旺盛にクリエイティブ力を発揮していた時代の作品群に出会えたことに感謝したい。

明日は、私が2008年に購入して、着用&使用したり、自宅で飾ったりしているリアル・アートを論じてみたい。

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