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Friday, October 19, 2007

ファッションショーにおける発想の転換から見えたこと

ちょっと面白い発想の転換に繋がる出来事が私のアンテナに触れた。

先日行われた"The Wind by Issey Miyake with James Dyson"と銘打たれたファッションショーがそれである。



三宅一生とあのサイクロン掃除機で有名なJames Dysonが先日パリで「the wind」というテーマでコラボレーションしたのである。
三宅一生とダイソンの共通項は何かと考えた時、それは常に"Innovation"を追求してきたことにあるのではないか。時代のトレンドにアンチテーゼを投げかけ、その都度様々な批判に晒されながらも力強く前進する。両者にはその強い意志と、凄みみたいなものの存在を感じる。

今回のショーにおけるエッセンスとして、「発想力」、「具現化力」、「創発力」の3つが挙げられると思う。イッセイミヤケとジェームス・ダイソンという二人の著名なInnovative Creatorが織り成した今回のショーでは、一般的には縁遠いと思われる洋服と掃除機、それぞれのコンセプトを噛み砕いて、デザインとエンジニアリングは常に対で共存するという「大文字の」テーマを社会へ発信したことに意義があったのではないか。2つの異質な存在が手を組み、今回で言えば1つのイベントに昇華させようという「発想」。そして、ダイソンがステージセットを担当し、ファッションショーのランウェイを掃除機のホースからイッセイミヤケの服をまとったモデル達が(時代と言う)風に吹かれて登場してくるという「具現化」。ただ単に奇を衒ったということではない、デザインとエンジニアリングの共生というメッセージが発信された「創発」。

私がここで挙げた3つのエッセンスは、現在世界中の様々な業界で行われているコラボレーションのキモになるでしょう。一般的に違った領域同士でのコラボレーションは、違った価値を持ったもの同士が交配することによって、化学反応を起こし、相乗効果を持った商品であったり、サービスが生まれることを期待される。しかし実際には、ただ単に「コラボしました」的な事柄が多いのではないだろうか。
折角知恵を絞ったコラボレーションであっても、シナジー効果を創造する商品やサービスを具現化し、期待以上の着地を見せなければ意味が無い。

今回の出来事は、ビジネス現場にとってもメルクマールとなるのではないだろうか。