今回は、ジャケットについてのお話をしてみたい。
私のジャケット初体験は、高校生の頃だったろうか。当時日本発のDCブランドが大ブームで、私もまたその渦の中に巻き込まれていたように思う。まだ菊池武夫がMEN'S BIGIのデザイナーだった頃のリネン・ジャケットを生意気にも高校生だった私は纏い、ちょっとアダルト気分に浸っていたのかもしれない。今から考えると、赤面の至りである。
ちょっと話は脱線しましたが、私は歳を重ね、その間に多様なブランドのジャケットの袖を通し、辿り着いたのが今回ご紹介する、Belvest(ベルヴェスト)のジャケット。
10年程前にこのジャケットに出会ったのだが、アメリカのブティックでこのジャケットを試着した時、身体を包み込むファブリックの柔かさと、その上品なカラーリングに私は一瞬にして魅了されてしまった。
Belvest Jacket
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1964年、アルド・ニコレット氏によって北イタリアのパドヴァ近郊で創業したBelvestは、クラシコイタリアの上質な精神を踏襲する名門ブランドらしく、年代がを経た私のジャケットも未だ色褪せない。
日本の亜熱帯的気候や、Cool BIZにも負けず、私はこのジャケットを自身の身を引き締める意味においても、今後も着続けるであろう。日本で最もダンディーであると私が考える白洲次郎の名言、「ネクタイは忘れても、ジャケットだけは、忘れずにいつも持っていろ」という言葉を肝に銘じつつ。
さて今回も私のモノに対する思い入れを述べてみたのだが、あの藤原ヒロシも自身の愛着ある、お気に入りの100アイテムを纏めた書「Personal Effects」(マガジンハウス)で、モノに対するこだわりを述べている。時代の空気は、こういう潮流にあるのかな。
Personal Effects/Hiroshi Fujiwara
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