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Friday, December 26, 2008

Music Sounds Better with Me

クリスマスも過ぎ去り、いよいよ今年もあと残り僅かとなってきた。
そこで、このblogもカウントダウン2008という感じで、今年私の関心を引いてきた多彩なジャンルに関して、振り返っていきたい。

まずは第1弾、今年の私と音楽について。
今年も多様な音に触れてきたが、その中でも聴く回数が多かった5作品を紹介してみたい。

まずは、私がiPodで聴くスタンダードになりつつある、藤原ヒロシのクラッシックカバー「Classic Dub Classics」。この作品は、その静謐な音が私を囲むスペースに溶け込んでいく。


次は、私がここ数年注目しているINO hidefumiの作品「Living Message」。彼の創り出すサウンドには、私の感性を刺激する、ジョン・ケージを彷彿とさせる現代音楽のエッセンス、優美なスコアによるミニマルな構築美などが盛り込まれている。 彼の感性と、多様な音楽の要素がバランス良く同居するサウンドは、まさに普遍的な色彩を放つ。


3つ目の作品は、Port of Notes結成10周年を記念して出されたベスト盤「Blue Arpeggio」。この作品は、ヴォーカルの畠山美由紀とアコースティック・ギターの小島大介という2つの感性のせめぎ合いから創造されるサウンドで溢れている。音というモノには、楽しさだけではなく、美しさがあることを教えてくれる。


次に控えしは、ちょっと今までとは色合いの違う(非売品という意味でも)コンピレーション・アルバム。昨年ブランド立ち上げ5周年を迎えた「百花堂」が、昨年12月に5周年パーティーを開催したとき配られたJohn Oswald、Paul Murphy、RSL、など百花堂・クリエイターの視線でチョイスされた音源を集約したモノ。そのコンピレーション・アルバムには、百花堂のブランド・プロミス(実際店内で流されている曲も含まれる)が体現された、時代の感性を見事に捉えた仕上がりとなっている。私も百花堂とは、ビジネス的関係性も構築させてもらっているので、今後もこのブランドに注目。


最後は、私の永遠のヒーロー・Glenn Gouldの「images」。この作品は、Gouldが傾倒したBachをプレイしたモノと、Not Bachという2枚組から構成されている。私が気持を高めるときに必ず聴くのは、GouldのNot Bachに入っている「DIE MEISTERSINGER」。Gouldのピアノから創造されるこのワグナーのオペラの名曲は、私が今まで聴いてきたどの音をも凌駕する。それほど、Gouldのポリフォニー音楽は素晴らしい。

以上が、今年の私と音との関わり合いである。
だが、今年私が最も残念だったのは、ライブへあまり足を運べなかったことである。
音楽は、やはりアルバムを聴くだけ、音楽を語るだけでは駄目。
2009年は、音に直に触れ合える場に存在したい。

Monday, March 31, 2008

brand論再考: セミナー、ブランド進化、そしてコムデギャルソン



今回のテーマは、"brand論再考"としてみた。以前このブログで、ブランドに関しては結構詳しく述べたつもりでいるので、今回は最近私が出席したブランド戦略セミナー、そしてComme des Garçonsから届いたフライヤーを題材にブランド進化について論じてみたい。

先々週になるが、大阪で開催されたブランド戦略セミナーに参加した。このセミナー、毎年1回イングランドのブランドコンサル企業が主催して行われるものだ。
今回のセミナーで興味を持ったのは、企業ブランド進化の過程を、あの「種の起源」を著したチャールズ・ダーウィンの進化論にシンクロさせて議論をしていた部分。
ダーウィンは進化論の中で、動・植物の進化の過程には時間軸に沿って大進化と小進化があり、その進化速度や進化度合は種によってまちまちであるが、ゴールはその種が環境の変化などに適応した形で継続的に生存できるかどうかが重要としている。確かに企業も同じで、持続的な企業成長を目指すのであれば、企業進化とブランドの確立ということが大変重要なファクターとなってくる。
企業ブランドの確立というものには、顧客(一般消費者)、社会、株主、そこで働く社員など、一般的にステークホルダーといわれる存在が大変大きな影響力を与えるため、単純に動・植物の進化と、企業ブランドの進化を同列に並べて議論するのは無理があると思われるかもしれない。しかし、今回のセミナーでの論点は、そのような外的要因を全て取り去った形での「進化」というファクターに視点を置いて考えた部分に、面白さを感じた訳。

こんなことをセミナー後も、私の頭の中で考えを巡らせていた時、ギャルソンから最近私の手元に届いたフライヤーのことを思い出した。
コム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons 、日本語で、「少年のように」の意味)は日本のファッションデザイナー・川久保玲が1969年に設立したプレタポルテ(高級既製服)ブランド。
ギャルソンは約40年間、上で述べたようなブランド進化を時には大きく、時には小さく、その時代時代に合わせて成し遂げてきたのではないだろうか。



そんなギャルソンの広報活動が最近過激に攻撃的で、Hip(かっこいい)だ。新たなブランド進化を、世界に向けて宣言しているかのようでもある。



フライヤーの写真を見てもらっても分かるように、この度肝を抜かれる前代未聞の演出にFashionを生業にすることへの凄みを感じた。私が親しくさせてもらっている、「百花堂」のクリエイティブ・ディレクターの方にも、物づくりに対する同様の凄みを感じる。



いずれにしても、送られてきたフライヤーはアート作品としても大変素晴らしい。本当に、アート写真集を見ている感じで魅了された。



このフライヤーを眺めていると、ArtistのチョイスにもComme des Garçonsの世界が明確に現れている。
しかし、そんなArtistそのものに看板を預けたりはしない。ArtistをComme des Garçonsカラーに仕立て上げてこそComme des Garçonsたる所以なのである。



優れたクリエイティブの分業がリンクし、融合されて初めてComme des Garçonsになるのである。
ここが世界に類を見ないComme des Garçonsというブランドの価値なのではないだろうか。



今更でもないが、現代美術をFashion=流行に取り込んでしまう手法こそ、Fashionそのものでもあるといえる。しかし、これも先頭を走っているポジショニングにあるブランドでなければ相当陳腐に陥ってしまう。そのギリギリなエッジの所を保持するための日々の鍛錬が、なかなか他者には真似のできない部分であろう。時代にあがなう過激さを失って、物づくりに固執するのではもうそれはFashion=流行とは呼べないのではないだろうか。



今回のセミナーやComme des Garçonsの試みを見ていて感じるのは、"brand"維持および向上への飽くなき挑戦である。"brand"とは、企業であれ、モノであれ、その価値を維持し続けるには相応の覚悟=準備が必要で、戦略や戦術も重要だが、最終的にはそのブランドが持つ力を命がけの跳躍で、どこまでその価値をストレッチできるかどうかにかかっているのではないか、ということを再認識させられた。

Monday, December 17, 2007

服との対話: Hyakkado 5th Anniversary Party

久しぶりの更新である。
先週はバタバタしていて、更新したいテーマがあったのだが、今日になってしまった。

1週間ちょっと前、Dress Code "Flower"(花=華)という個性的なPartyに参加した。
そのPartyとは、私が2年ちょっと前から親しくさせてもらっている「百花堂」のブランド立ち上げ5周年を祝うものであった。ブランドネームからも分かるように、ここの服にはラグジュアリーな生地(シルク、ベルベット、ちりめん、大島紬など)と華のあるデザイン&スタイル提案で、日本のファッション地平に新たな価値を創造した。

この百花堂ブランドは、隠し絵のように、私達現在の日本人達が忘れそうになっている日本人の心と日本の美を浮かび上がらせる服、バッグ、帽子、などを提示してくれる。現在女性のアパレルラインしかないのだが、男性の私でもそのコレクションを見ていると、「美」というものを再認識させられる。ぜひ、そのような感覚をメンズラインを構築することによって、男性諸氏にも体感させていただきたい。

皆さんに百花堂をリアルまたはバーチャルに体験してもらうには、店舗やウェブを訪問していただければよいのだが、私自身がこのブランドと出会って、感じたことを記号化してみると、

オリジナル/インディビジュアル/印象的/リミティッドエディション/第一人者/影響力/コレクター/変化/止められない勢い/想像を超えた/ポストモダン/探究的/スタイリッシュ/Jamming/革新的/謙虚/スマート/グローバル/エレガント/耽美的/複眼的、など

私の感性を刺激するターミノロジーが頭に浮かんでくる。

このような百花堂が主催した5th Anniversary Partyには、日本中から知的な美意識を持った方々集っていた。

その模様は、

http://www.hyakkado.com/blog/event/5anniversary_party/408
http://www.hyakkado.com/diary/style/423
http://www.hyakkado.com/diary/music/421
http://www.hyakkado.com/diary/flowers/411

に詳しくレポートされているので、ご覧になってみてはいかがでしょう。そして、この「美」と「知」を体感し、その服に袖を通してみたいと感じた方は、店舗を訪れてもらえたらと思います。

Party後、参加者に渡された百花堂店舗の中で実際に流されているMusic群のコンピレーションCD











最後に、素敵なPartyに招待していただいた、百花堂ブランドをプロデュースし、クリエイトされているmiwaさん&maoさんに、Special Thanksをこの場を借りて述べておきたい。そして、今後もお二人が生きてきた時代と現在が、店舗がある京都という「場」でエレガントに交錯し続けていくことを願っています。

PS:私が撮影したParty模様の写真も掲載しておきます(犬楽の皆さん、ピアノ・アーチストのaricoさん、ブリリアントなJamming最高でした)。