Saturday, January 17, 2009

Requiem: Kobe from Without Sound to With Sound

生粋の神戸っ子である私にとって今日という日は特別な日である。
あの阪神大震災から、14年の歳月が流れたが、1.17には街中が悲しみに包まれる。


1995年1月17日には、私はアメリカで暮らしていた。
やっと電話が繋がった電話の向こう側で、神戸の両親はこう言った。
「神戸から音が消え去ったみたい」と。

あの日から14年を経た神戸には、様々な音が蘇り、私はポートピアホールで行われたニューイヤー・コンサートに出向いた。
女性指揮者として世界でもどんどん実績を積み重ねている西本智実が大阪フィルハーモニーを振るというので、是非一度は聴いておこうと思った。



曲目:
* J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」序曲
* J.シュトラウスⅡ世/ワルツ「春の声」
* J.シュトラウスⅡ世/アンネン・ポルカ
* J.シュトラウス/ラデツキー行進曲
* エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
* チャイコフスキー/バレエ「眠りの森の美女」より“ワルツ”
* デュカス/交響詩「魔法使いの弟子」
* ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
などが演奏された。
特に「威風堂々」は、私がアメリカ大学院の卒業セレモニーで、このサウンドに導かれて入場したことから特別な楽曲となっている。
本日の演奏は、女性指揮者ならではの繊細さと、女性らしからぬ雄大な指揮とが、大フィルの音が実に見事な統一感を与えていた。

こういう音に溢れた街として神戸が未来へ向けて発展していくことを、私は大フィルの奏でるサウンドを聴きながら感じた。
そして、あの震災で尊い命を失った数多の人々に、私は鎮魂の祈りを捧げ続けた。

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