Sunday, January 04, 2009

戦後思想界の巨人が語る現在

世界視線を持って時代と相対してきた思想家・吉本隆明が久しぶりにTVに登場している。
今その番組を見ながら、このblogを書いている。


この正月はDVD鑑賞や読書三昧だったので、久々にTVを見ていることになる。
私は吉本氏の著書を幾つかは読んでいるものの、彼の熱心の読者ではなかった。
しかし、戦後日本の言論界をリードしてきた、小林秀雄亡き後の戦後思想界の巨人が今何を語るのかが興味深かった。

その番組「吉本隆明 語る ~沈黙から芸術まで~」は、私が当初考えていたモノとは少し色合いが違った。
画面に映し出された吉本氏の姿は、車椅子で、凄く弱っている感じを受け、郷愁を誘う。
しかし、2千人の聴衆を前に3時間熱く語りかける「芸術言語論」には力があり、文学や芸術のみならず、政治・経済、国家、宗教、家族や大衆文化まで、人間を巡る事象を論じてきた往年の吉本氏の姿がそこにはあった。

彼の思想のエッセンスにもう少し耳を傾けてみようか。

No comments: