Sunday, March 14, 2010

My 100 Standards(12/100):Alexander McQUEEN×puma

彼の死を知ったのは、丁度1ヶ月前の沖縄旅行の只中だった。
初め私は彼の死をTwitter上で知った時、なかなかその事実を信じることができなかった。
その彼とは、アレキサンダー・マックイーンその人である。

数あるメンズプレタポルテの中でも、アレキサンダー・マックイーンのサヴィル・ロウ仕込みのテーラードアイテムには、格別の味わいがあった。いかにもな素材を使わなくても、贅沢さを醸成させるその匠の技、そして時代の先を行く斬新な発想力との融合により、彼ならではのクリエイティブがそこにあった。
将来的にもクリエイティブ・ストレッチを望める才能を有していた1人のファッション・デザイナーの余りにも早い死、それも自死という話も聞こえてくると尚更、心底残念である。

そんな若きデザイナーの死という現実に、アレキサンダー・マックイーンが残した作品群の中で私の手元にあるモノを紹介してみたくなった。

約3ヶ月ぶりの私のモノに関する12個目の物語を再開してみよう。
しかしこのペースだと、100のストーリーを完成させるにはどれぐらいの時間を費やすのやらf(^ー^;


私がチョイスしたマックイーンのクリエイティブの結晶、それは数年前にプーマと共に創造したシューズである。初めてそのシューズを見た時、その異形なフォルムに驚かされ、一辺にそのシューズの虜となった。後から分かったことだが、マックイーン自身が人間の骨格からインスピレーションを受けて創造したということを聞き、妙に納得したのだが。このシューズを手に入れて以来、これを履くと皆の視線がこのシューズへと向かい、驚きの表情を楽しんでるって感じである。


このシューズの面白さは履くだけの面白さだけではなく、そのパッケージを鑑賞するという面白さも付加されている。シューズのパッケージで、ここまで凝ったクリエティブって余りお目にかからない。
上記のPhotoを見ていただくと分かるが、"Alexander McQueen PUMA"の靴箱の側面には、グリッド上に配置されたドットが整然と並び、そのアナの向こう側に何かはリアルに確認できないデザインが為されている。


引き出し式になっているこの靴箱は、シューズを取り出そうと引き出すと「あっ」と驚かされる。
その引き出しの側面には、リアルに表現されたPUMA(ピューマ)が描かれているのだ。野性味を帯びたピューマが疾走しているデザインは、これから履こうとしているシューズのデザイン性をより印象付ける仕掛けとなっている。

私は早逝したファッション・デザイナーのクリエイティブを、このシューズ&靴箱両方から読み取ることができる。イメージの表現手段としての服や靴は、美しさ、格好良さなどのイメージを送り出す未来装置であることを我々に投げ掛け続けているのではないかと。それは服や靴本体の周縁的デザインも含めてである。
私は今後も、このイメージの表現手段として挑戦的なシューズを履き続けていくだろう。
最後に、我々をファッションという表現手段で楽しませ続けてくれたことに敬意を表しつつ、アレキサンダー・マックイーンのご冥福をお祈りしたい。

R.I.P.

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