Saturday, January 03, 2009

読書初め2009

まずは、この写真を見て貰いたい。

Hard Working Man

これは、TimeのPictures of the Year 2008に掲載された、時の人・オバマ氏がスピーチを考えている姿。
このように、写真はその時々、一瞬一瞬の歴史的事象や人などを切り取る。

新年も3日が経ち、ちょっと活字が懐かしくなり、杉本博司が著した「現な像」をじっくり読んでみた。


写真家でもあり、国際的美術家でもある杉本氏が著した書物には、彼自身の時間や歴史の捉え方が鮮明に表現されている。杉本は語る「私は長い間写真に関わりながらも、未だに真の何たるかを知ることを得ない」と。

人類社会にとって、「世界の見え方」が180年ほど前に大きく転換した。それは、写真が発明されたからで、刻一刻と変化していく世界の表情=留まることを知らない捕らえ所のない世界が、ファインダー越しに収まることによって、時間が止まり、時間の断片と化す。
以前読んだスーザン・ソンタグの著書の中で、写真を収集することは世界を収集することに繋がるという趣旨のことを述べていた。デジタル技術の発展と、その技術の恩恵に授かる総アマチュア化。今回の杉本の著作には、世界がどんどん矮小化され、画像として蓄積され、アーカイブ化されていく異様な光景に対しての警鐘も含まれている感じがする。

「現な像」としての写真、その写真が示す世界の見え方が今後一層重要度を増す中、このテクストは読んでおくべき。

1 comment:

Anonymous said...

久し振りにブログを拝見いたしました!
大変精力的に更新されていますね~
また、私のブログにコメント頂きましてありがとうございました。
とりあえず、2年間お取り置き中のAUBERCYの靴をお引取り頂けませんでしょうか?
今年こそ宜しくお願い致します!!